英語など語学専門学校の無償化について対象世帯の目安・申請方法・対象校を解説

英語(英会話)や語学を専門に学べる専門学校への進学を考えたとき、気になるのが学費ですね。

ニュースなどで出てくる「大学無償化」は、英語・語学系の専門学校も対象になりますよ。正式名称は「高等教育の修学支援新制度」といって、文部科学省が実施する国の制度です。

支援の内容、対象となる世帯年収の目安、申請の流れ、そして対象校の調べ方まで、文部科学省や日本学生支援機構(JASSO)の公表資料をもとに整理しました。海外の教育費負担の状況もあわせて紹介し、日本の制度の位置づけがわかるようにまとめています。

 

「無償化」の正式名称「高等教育の修学支援新制度」

「大学無償化」と呼ばれる制度の正式名称は「高等教育の修学支援新制度」です。家庭の経済状況にかかわらず進学の機会を確保することを目的に、国の主導で2020年4月にスタートしました。

対象となるのは大学・短期大学・高等専門学校に加え、専門学校(専修学校専門課程)も含まれています。英語・語学系の専門学校であっても、「対象校としての確認」を受けていれば、この制度の対象となります。

2024年度からは多子世帯(扶養する子どもが3人以上いる世帯)や私立の理工農系学部等に通う学生への中間層支援が拡大され、2025年度からは多子世帯について所得制限が撤廃されるなど、支援の対象は年々広がっています。

 

支援の内容

高等教育の修学支援新制度には、次の2つの支援がセットになっています。

 

授業料・入学金の減免

在学する学校(確認大学等)が、国の定める上限額まで授業料・入学金を免除または減額します。減免に要する費用は公費(国・自治体)から学校に支出される仕組みです。

 

給付型奨学金の支給

返還が不要な奨学金を、日本学生支援機構(JASSO)が毎月本人に給付します。自宅通学か自宅外通学かによって給付額は変わり、生活保護世帯や児童養護施設等から通学する場合はさらに増額される仕組みがあります。

減免額・給付額はいずれも世帯の所得区分(第I区分?第IV区分)によって段階的に決まり、第I区分(住民税非課税世帯)がもっとも手厚く、区分が下がるにつれて減免額・給付額は3分の2、3分の1などに縮小します。

 

対象となる世帯の目安

対象となるのは、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯です。世帯収入の目安としては、おおよそ年収380万円程度までの世帯が対象範囲の中心となりますが、これはあくまで目安であり、実際の判定は住民税の課税標準額をもとにした算式(家族構成や扶養人数によって変動)で行われます。同じ年収でも、家族構成や扶養する子どもの年齢によって該当する区分は変わるため、JASSOが提供する進学資金シミュレーターなどで個別に確認することが推奨されています。

さらに次の点に注意が必要です。

多子世帯(扶養する子どもが3人以上)

2025年度から所得制限なしで、国が定める一定額まで授業料・入学金が無償になります。

資産要件

2025年度から、給付型奨学金・授業料等減免ともに、生計維持者の資産合計額が5,000万円未満であることが要件とされています(多子世帯として授業料等の満額支援を受ける場合は3億円未満)。

学業要件

採用時の学修意欲、進学後の出席率など一定の学業要件を満たす必要があります。高校時代の成績のみで否定的な判断をせず、レポート提出や面談による意欲確認も行われます。

 

対象校は「確認」を受けた学校のみ

専門学校であればすべて対象になるわけではありません。対象となるのは、「大学等における修学の支援に関する法律」に基づき、教育の質や経営の安定性などの「機関要件」について文部科学省・厚生労働省・都道府県のいずれかから確認を受けた「確認大学等」に限られます。

英語・語学系の専門学校(外国語専門学校、通訳・翻訳系専門学校など)も、この機関要件確認を受けていれば対象校になりますが、確認を受けていない学校に進学した場合は、家庭の年収がどれだけ制度の基準を満たしていても支援を受けることはできません。

進学を検討している学校が対象かどうかは、文部科学省が公表する「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト」で確認できます。私立の専修学校(専門課程)については、都道府県が機関要件確認を行っているケースも多いため、志望校のホームページや募集要項に「高等教育の修学支援新制度 対象校」といった記載があるかも合わせて確認するとよいでしょう。

 

申請方法・スケジュール

申請には大きく2つのルートがあります。

 

予約採用(進学前に申し込む場合)

現在高校3年生の方、または高校卒業後2年以内の方が対象です。在学中の高校を通じて、毎年春頃から日本学生支援機構の「スカラネット」を利用してオンラインで申し込みます。マイナンバーの登録が必要になるため、早めの準備が安心です。予約採用で「採用候補者」として決定されると、進学後に進学先の学校を通じて本申込(在学届の提出)を行うことで、支援が開始されます。

 

在学採用(進学後に申し込む場合)

すでに専門学校等に在学している場合も、学校を通じて年度内の決められた期間に申し込むことができます。申込期間は学校ごとに案内されるため、学生課・奨学金窓口への確認が必要です。

 

家計急変への対応

失業や倒産、災害、離婚など予期しない事由で家計が急変した場合は、住民税に反映される前の所得見込みで随時審査を受けられる仕組みもあります。年度途中からの申請・支援開始が可能です。

 

高校卒業後2年以内の既卒者・高卒認定生も対象

現役高校生だけでなく、高校卒業後2年以内の既卒者、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)合格者で一定の要件を満たす方も申請の対象です。社会人になってから語学専門学校への進学を考えている方も、まずは対象要件に当てはまるか確認する価値があります。

 

出典・参考資料

文部科学省「高等教育の修学支援新制度」 

文部科学省「修学支援新制度の確認大学等の一覧(対象機関リスト)」 

文部科学省「対象となる大学等の要件(機関要件)」 

文部科学省「高等教育の修学支援新制度 授業料等減免事務処理要領(第6版)」 

文部科学省「多子世帯の授業料等無償化に係るFAQ」 

日本学生支援機構(JASSO)「給付奨学金(返済不要)」 

英語など語学専門学校の無償化、授業料支援制度・対象世帯・申請方法を解説

 

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