
小学生のうちから、英語を使えるようになってほしいとか、将来、海外の大学への進学も選択肢に入れたいなど、そんな思いを持つ保護者にとって、注目したい動きがありますのでご紹介します。
英国の伝統ある名門校が日本に進出し、東京や関西でも英国式教育を取り入れたインターナショナルスクールの開校やキャンパス整備がすすんでいます。
2026年には、大阪府枚方市に英国の名門校ブライトン・カレッジの教育を取り入れた学校を開校する計画が発表されたほか、東京都千代田区でも英国系のエプソムカレッジ東京が2027年秋の開校を予定しています。
東京・関東と関西の注目事例を紹介しながら、英国系インターナショナルスクールの特徴、日本の小学校との違い、入学を検討する際に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
英国の名門校が日本に進出!東京・関西で広がる新たな選択肢
英国系インターナショナルスクールの件は、東京を中心とした首都圏でも、英国の伝統ある学校の教育を取り入れた学校が開校し、新たな学校の開設計画も進んでいます。
エプソムカレッジ東京|2027年秋、東京・神田に開校予定
英国の伝統ある学校、エプソムカレッジ(Epsom College)の教育を受け継ぐ「エプソムカレッジ東京(Epsom College Tokyo)」は、2027年秋に東京都千代田区の神田エリアで開校する予定です。
同校は英国式カリキュラムを採用し、幼児教育課程から小学校に相当する初等教育段階までを対象としています。開校初年度は対象学年を段階的に設定し、その後、受け入れ学年を拡大する計画です。
授業や学校活動は英語を中心に行われる予定で、英語力だけでなく、学習面や人格形成の両方を重視した教育を目指しています。
また、年齢に応じたAI教育やデジタルリテラシーの育成も計画されています。
将来的には、マレーシアなどのエプソム系列校への進学ルートも選択肢として示されています。ただし、進学には各校の入学条件や空き状況などが関係するため、詳細を確認する必要があります。
東京の中心部で、幼児期から英国式教育を受けられる新たな選択肢として注目されます。
ラグビースクールジャパン|千葉県柏市で英国式教育を提供
千葉県柏市には、英国の伝統ある学校ラグビースクールの教育を受け継ぐ「ラグビースクールジャパン(Rugby School Japan)」があります。2023年に開校した学校です。
英国のラグビースクールは長い歴史を持つ学校として知られ、英国式の教育を基盤に、学業だけでなく課外活動や生徒の成長も重視しています。
ラグビースクールジャパンは、主に中等・高等教育段階の子どもを対象とする学校です。そのため、現在小学生のお子さんがすぐに入学できる学校というよりも、将来の中学・高校段階の進路を考える際に知っておきたい事例といえるでしょう。
小学校で英語力の基礎を身につけ、その先にどのような教育課程があるのかを考えるうえで、選択肢の一つになります。
マルバーン・カレッジ東京|東京都小平市の英国系インターナショナルスクール
東京都小平市には、英国のマルバーン・カレッジをルーツとする「マルバーン・カレッジ東京(Malvern College Tokyo)」があります。2023年に開校しました。
英国式の教育を基盤に、学習面だけでなく、生徒の個性や幅広い能力を伸ばすことを目指す学校です。
英国系インターナショナルスクールというと、海外赴任のある家庭や、海外大学への進学を考える家庭だけのものという印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、日本国内にもこうした教育を受けられる学校が開校していることは、英語教育の選択肢を考えるうえで知っておきたいポイントです。
なお、学校によって対象年齢やカリキュラム、入学条件は異なります。小学生の入学を検討する場合は、希望する学年の受け入れ状況を公式情報で確認しましょう。
ブリティッシュ・スクール・イン東京|幼児・初等教育の環境も整備
東京では、新しい学校の開校だけでなく、既存の英国系インターナショナルスクールの教育環境も整備されています。
「ブリティッシュ・スクール・イン東京(The British School in Tokyo)」は、1989年に設立された英国系インターナショナルスクールです。幼児期から高校段階までの教育を提供しており、麻布台ヒルズには幼児・初等教育のキャンパスがあります。
同校では、教室での学習に加え、音楽、スポーツ、美術、演劇などの幅広い活動を通じて、子どもの個性や能力を育てる教育を重視しています。
小学生の保護者にとっては、英語で授業を受けることだけでなく、学校生活全体を通してどのような経験ができるのかも、学校選びの大切なポイントです。
関西でも開校計画が進む|大阪・枚方市と神戸の事例
関西でも、英国系教育を取り入れたインターナショナルスクールが注目されています。
2026年10月には、関西外国語大学が英国の名門校ブライトン・カレッジ(Brighton College)と提携し、大阪府枚方市にインターナショナルスクールを開校する計画を発表しました。
計画では、2028年9月に小学校に相当する初等課程、2029年9月に中学・高校に相当する課程の開校を目指しています。中等課程については、2030年9月に延期される可能性も示されています。
初等課程では、英国本校の教育方針を基盤に、語学力や思考力、探究心、プレゼンテーション能力などを育てる教育が計画されています。
また、神戸では英国のノース・ロンドン・カレッジエイト・スクール(North London Collegiate School、NLCS)の教育モデルを取り入れた「NLCS Kobe」が、六甲アイランドで初等段階の教育を提供しています。2028年には六甲山にシニアスクールのキャンパスを開設する計画もあります。
東京だけでなく関西でも、幼児期から小学校、その先の中等教育までを見据えた英国系教育の選択肢が広がりつつあります。
参考:
英国系インターナショナルスクールでは何を学ぶの?
英国系インターナショナルスクールへの進学を考えるとき、気になるのは「日本の小学校と何が違うのか」という点ではないでしょうか。
学校によって教育内容は異なりますが、主な特徴を見ていきましょう。
英語を「教科」として学ぶだけでなく、英語でさまざまなことを学ぶ
日本の小学校では、学年に応じて外国語活動や外国語科の授業が行われています。文部科学省の学習指導要領では、外国語を通じたコミュニケーションへの意欲や、言葉・文化への理解を深めることなどが重視されています。
英語を授業の中心的な言語として使うインターナショナルスクールでは、英語そのものを学ぶだけでなく、算数や理科、芸術などのさまざまな分野を英語で学ぶ場合があります。
たとえば、自然現象について学んだあと、英語で自分の考えを発表したり、友達と意見を交換したりする活動が考えられます。
このような環境では、英語を知識として覚えるだけでなく、実際に使いながら理解を深める機会が得られます。
ただし、授業内容や使用言語は学校や学年によって異なります。すべてのインターナショナルスクールが同じ方法を採用しているわけではありません。
自分で考え、意見を伝える力を育てる
英国系インターナショナルスクールの教育で注目したいのが、知識を身につけることに加え、自分で考え、表現する力を重視する点です。
授業で学んだことについて「なぜそうなるのか」を考えたり、自分の意見をクラスメートに伝えたり、調べた内容を発表したりする学習が取り入れられることがあります。
こうした経験は、英語力だけでなく、論理的に考える力や人に伝える力を育てる機会にもなります。
もちろん、考える力や表現力を育てる教育は、インターナショナルスクールだけのものではありません。日本の小学校でも、話し合いや発表、探究的な学習などが行われています。
大切なのは学校の種類だけで判断するのではなく、子どもがどのような学びを経験できるかを具体的に確認することです。
英語だけでなく、幅広い分野に興味を持つきっかけになる
学校によっては、科学や技術、芸術、数学などを関連づけて学ぶSTEAM教育や、課題を見つけて解決策を考える探究型の学習を取り入れています。
身近な疑問を調べたり、実際にものを作ったり、解決方法を考えたりする活動を通して、子どもの好奇心や探究心を育てることが期待されます。
英語を学ぶことだけが目的ではなく、英語を使って好きなことを深く学ぶ。そうした学び方も、これからの英語教育を考えるうえで注目したいポイントです。
小学生からインターナショナルスクールに通うメリットは?
小学生のうちから英語を使う環境で学ぶことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
英語を使う経験を日常的に積める
英語を身につけるには、単語や文法を覚えることだけでなく、実際に聞いたり、話したり、読んだり、書いたりする経験も重要です。
英語で授業を受ける環境では、先生の説明を聞く、友達と会話する、自分の考えを発表するといった場面で、英語を使う機会が日常的に生まれます。
英語を使うことが特別なイベントではなく、日々の学習や生活の一部になる点は、大きな特徴といえると思います。
ただし、通学すれば誰もが同じように英語を習得できるわけではありません。子どもの適応状況や学習環境、学校のサポート体制などによっても違いがあります。
海外の大学進学など、将来の選択肢を考えやすくなる
英国式の教育課程を採用する学校では、学年が上がるにつれて、英国の教育制度に沿った資格やカリキュラムを取り入れる場合があります。
たとえば、IGCSEは英国を中心に国際的に採用されている中等教育段階の資格・カリキュラムで、Aレベルは英国の大学進学などにつながる高等教育進学資格です。
こうした教育課程は、海外大学への進学を検討する際に選択肢となる場合があります。
ただし、どの大学に進学できるかは、成績や履修科目、出願条件などによって異なります。国内大学への進学を希望する場合も、学校の教育課程や卒業資格が希望する進学先の要件に合っているか、事前に確認する必要があります。
小学生の段階ですべてを決める必要はありませんが、将来どのような進路を選べるようにしたいかを、家族で考えるきっかけにはなるでしょう。
入学を考える前に知っておきたい3つの注意点
魅力的な特徴がある一方で、インターナショナルスクールへの進学には、事前に確認しておきたい点もあります。
学費や通学にかかる費用を確認する
インターナショナルスクールは、一般的な公立小学校と比べて、学費の負担が大きくなる場合があります。
入学金や授業料だけでなく、施設費、教材費、制服代、給食費、スクールバス代、課外活動費などが必要になることもあります。
入学時の金額だけで判断せず、卒業までにどの程度の費用が必要になるかを確認しておくと安心です。
英語が初めてでも授業についていけるか確認する
「小学生のうちから英語を学ばせたいけれど、まだ十分に話せない」という保護者の方もいるでしょう。
英語を母語としない子どもへのサポート体制は、学校によって異なります。
入学時に求められる英語力、英語初心者向けの支援、授業についていけない場合の補習、保護者への学習状況の説明などを確認することが大切です。
特に高学年からの入学では、すでに学んでいる教科内容を英語で理解する必要があるため、低学年から入学する場合とは状況が異なることも考えられます。
学校説明会や個別相談などを利用し、お子さんの現在の英語力でも無理なく学べる環境かどうかを確かめましょう。
日本語の学習や卒業後の進路も考える
英語を使う時間が長くなる場合、日本語で読む・書く力や、日本の歴史、文化について学ぶ機会を家庭や学校でどのように確保するかも考えておきたいところです。
また、将来、日本の中学校や高校への進学を希望する可能性があるなら、転校時の受け入れ条件や学習内容の違いについても確認が必要です。
海外大学への進学だけでなく、国内の学校や大学への進学も含めて、複数の選択肢を考えておくとよいでしょう。
インターナショナルスクールに通わなくても英語力は伸ばせる?
ここまで読むと、「やはり小学生のうちからインターナショナルスクールに通わせたほうがよいのだろうか」と感じる方もいるかもしれませんが、英語を身につける方法は一つではありません。
日本の小学校に通いながら、英語教室やオンライン英会話、英語の絵本、音声教材などを活用する方法もあります。
大切なのは、子どもが英語に触れる機会を無理なく継続し、英語を使って伝わる楽しさを経験できることです。
家庭で英語に触れる時間をつくる
英語の歌を聞いたり、絵本を読んだり、子ども向けの英語動画を楽しんだりすることも、英語に親しむきっかけになります。
最初から難しい文法や単語を覚えさせようとするよりも、子どもの興味に合った内容から始めると取り組みやすくなります。
英語教室やオンライン英会話を活用する
英語を聞くだけでなく、実際に話す経験を増やしたい場合は、英語教室やオンライン英会話も選択肢です。
講師とのやり取りを通して、自分の知っている英語を使ってみる機会をつくれます。
教室によって、歌やゲームを中心に学ぶところ、会話や読み書きを重視するところなど、指導方法には違いがあります。お子さんの年齢や性格、現在の英語力に合った学習方法を選ぶことが大切です。
「英語を話せた!」という成功体験を大切にする
子どもが英語であいさつできた、先生の質問に答えられた、英語の絵本の意味が少しわかった。
そんな小さな成功体験が、次も英語を使ってみようという気持ちにつながります。
英語の発音や文法の間違いをすぐに指摘するよりも、まずは自分から伝えようとしたことを認めてあげましょう。
インターナショナルスクールに通うかどうかにかかわらず、英語を学ぶことが楽しいと思える環境づくりは、保護者ができる大切なサポートの一つです。
参考資料・出典
エプソムカレッジ東京 公式サイト
ラグビースクールジャパン 公式サイト
マルバーン・カレッジ東京 公式サイト
ブリティッシュ・スクール・イン東京 公式サイト
関西外国語大学 公式サイト
NLCS Kobe 公式サイト
文部科学省「小学校外国語活動サイト」
文部科学省「小学校学習指導要領」
幼児英語教育にインターナショナルスクールは無償?
なお、開校時期や対象学年、教育課程は計画段階の情報を含みます。入学を検討する場合は、各学校の公式発表で最新情報をご確認ください。



